ライターの
澤 あきこ
さんから
先日の「現代散楽」をご覧になった
感想を頂きました。
澤さんは雑誌の書評連載や
企業向け英文記事の日本語翻訳
などをされてる凄いお方です!
当日の様子が伝わる嬉しい内容でしたので
ここにご紹介させて頂きます。
澤さん、ありがとうございました
【現代散楽を鑑賞して感じたこと】
・型にはまらない演奏と
ジャグリングを鑑賞しながら
ふと「鳥獣戯画」が頭に浮かびました。
渡来人の参上する宮廷や
奈良の大仏建立を祝う宴で披露された散楽は
伸びやかで異国情緒を
感じさせるものだったのではないでしょうか。
和・洋の楽器とジャズなど
交えた選曲(まとまりがないのでは?)
と一瞬とまどいました。
でもしばらくすると、人や文化の混じりあう
混沌としたエネルギーから生まれた散楽だから(注:澤の解釈)
これでいいのだと悟り
心地よく音に身を委ねました。
音楽は、生きるベクトルを上向きにしますね。
とりわけ演奏者の方々の
楽しんでいる姿を生で観られると
観客にも熱狂が飛び火し
身体が喜ぶのがわかりました。
太田豊
さんが
「雅楽は洗練したスタイルになっていく過程で、物語を削いでいった。
だからこそ林さんに参加いただき、現代散楽に物語性をもたせたかった」
というようなお話をされていたのが
印象的でした。
このお考えには、私も全面的に賛成です。
林さんの今日の語りは
山深い場所から
語られているような趣がありました。
霧を纏ったような声で
武士の剛直な語り(これも素敵です)
とはまた違う
ニュアンスが目新しかったです。
すっと泉鏡花の世界に入れました。
輪島塗の和太鼓は、見て美しく叩いて
雄々しく血が騒ぎました。
笙があんなにファンキーな楽器だと
初めて知りました!
能などで聞き慣れた笛の調べは心地よく
サズも不思議と懐かしさを覚え
その他ピアノ、サックス、バイオリン
の音色も和楽器に調和していました。
華麗なジャグリングは単独での
パフォーマンス演奏や語りに厚みを加える
名わき役としての働きの
どちらも見ごたえがありました。
コロナ禍の世界に必要なのは
自由で伸びやかな表現だと
個人的に信じています。
太田さんの素晴らしい演出が
林さんたちお一人お一人を輝かせ
観客に楽しさという連帯
をもたらしてくれたことに感謝します。
どうもありがとうございました。
澤あきこ
Comments are closed.